
第24回 日本スポーツ精神医学会総会・学術集会
大会長 山本 宏明
(北里大学医学部精神科学)
第24回 日本スポーツ精神医学会総会・学術集会 開催のお知らせ
このたび、2026年8月28日、29日、30日に開催されます第24回日本スポーツ精神医学会総会・学術集会を担当させていただくこととなりました。大会長を拝命し、心より光栄に存じますとともに、本学術集会の開催にあたり多大なるご支援を賜っております関係各位に、深く御礼申し上げます。
本大会のテーマは「スポーツ精神医学、次の時代へ」といたしました。スポーツを取り巻く環境は、ここ十数年で大きく変化しております。また、精神医学領域の発展もめざましいものがあります。
本学会の設立趣意書に掲げられているスポーツ精神医学が扱う分野は、スポーツと精神医学の関わりから生まれる「①スポーツの精神医学への応用」「②精神医学のスポーツへの応用」「③身体活動と脳機能の基礎的な研究」の3領域、そしてそれらの相互関係を包括的にとらえる医学分野とされています。①においては気分症、認知症、統合失調症、精神発達症の治療、リハビリ、職場復帰や予防へのスポーツの活用は確実に広まりを見せており、②に関しても競技性の高度化はもとよりジュニア期からの競技志向の強まり、女性アスリート支援の進展、パラスポーツの発展、さらにはeスポーツの台頭などスポーツ概念そのものが拡張し、さらにSNSの浸透による誹謗中傷などアスリートが直面する問題は多様化しています。③においては身体活動と認知機能向上との関係、運動による脳の可塑性や神経保護作用など、新たな知見や可能性が報告されています。
私が研修医の頃、ふらりと入った書店で手にしたのが初代理事長永島正紀先生「スポーツ少年のメンタルサポート: 精神科医のカウンセリングノートから」でした。この一冊との出会いからスポーツ精神医学という領域の存在を知り、心が躍りました。多領域との連携のもとに発展してきた本分野は、今まさに次のステージへと進もうとしています。
本学術集会では、基礎研究から臨床実践、競技現場での取り組み、さらには社会的課題への提言に至るまで、幅広いテーマを取り上げる予定です。研究者や現場で活動する医療者・支援者の発表の場を充実させるとともに、多職種が対話し、学び合う機会を創出したいと考えております。特に、次世代を担う若手会員や学生、院生、現場で奮闘するメディカルスタッフ、そしてスポーツと精神医学に携わる全ての方々にとって、本大会が新たな連携と挑戦の出発点となることを願っております。
開催地は、東京・白金の地にある北里大学キャンパスです。感染症研究の礎を築いた北里柴三郎の精神には、「開拓(パイオニアとなれ)」「叡智と実践(知識を実践して社会に還元する)」があります。スポーツ精神医学もまた、新たな領域を開拓し、理論と実践を往還しながら社会に価値を還元していく学問であると考えます。本大会が、その理念を体現する場となるよう、実行委員会一同、鋭意準備を進めてまいります。本学術集会が活発な議論と温かな交流に満ちた実り多い場となりますことを心より祈念し、皆様のご参加を心からお待ち申し上げます。
